Jaled Darの世代問題

 First brood (of Veeshan)は、文字通りNorrathを発見したVeeshanが産んだ卵、Norrath産Dragonの第一世代であり、Norrath最初の知的生物。
 一般にfirst broodと知られるのは、Jaled Darが「Sleeperの封印に関わり、今も生きている」と名指しするYelinak、Zlandicar、Sontalak、Lendiniara、Klandicarの5体、及びYelinakの妻Hsagra。
 Jaled Darも、しばしばプレイヤーコミュニティでfirst broodとして扱われる。これらの事情を知っている上に、Sleeper's Tombのkeyを作れるJaled Darがfirst broodであった可能性は高いと推定される。
 しかし、2004年時点ではゲーム内でそう明言された典拠は(論文なら「管見の限り」と書くところ)存在しない。

 一つの手がかりとして、First Brood Talismanがある。名前からして、First bloodが所持すると思われるが、実は最初に挙げた5体の内Zlandicar、Klandicar、Sontalakの3体はdropし、残り2体からはdropしない。
 恐らく、それぞれがいるzoneをベースにloot tableが作られたことが理由と推測される。(所持していない2体はToVにいる)
 この件との関係は不明だが、Allakhazamへの投稿で『LendiniaraはFirst Broodではなく、First Broodであった親からtalismanを受けついだ』という主張がなされた。
 しかし、LendiniaraはA Message from XygozクエストでXygozからFirst Broodであると明言されており、ToVにいる場合はこのアイテムを持たない、と考えるのが妥当であろう。
 そして、Jaled Darの妻Harla Dar、全く背景情報のないJen Saparaの2体も、このアイテムをdropする。この2体について「単純なloot table設定ミス」とする意見もある。根拠は主に、この2体の名前がST keyクエストに見えないためと思われる。

 しかし、そう簡単に片付けていいものだろうか? Jaled Darは一度も「現在生存しているFirst Broodはこの5体」とは言っていない。「封印に参加したdragonのtalismanがあれば、First BroodであるかのようにSTに入れる鍵が作れる」と言っているだけだ。

□仮説1 Jaled Darが言及する5体は、「First Broodでありなおかつ積極的にthe Sleeperの封印を行った現存のdragon」であり、封印に参加しなかったFirst Broodがそれ以外に生存している可能性は否定されない。(もしかしたら、この5体にだけ言及した理由は「特に嫌がらせをしたかった奴ら」なだけだったりして……)

□仮説2 Harla DarはFirst Broodであり、封印にも参加しているが、Jaled Darは愛する妻を冒険者に殺させないために、彼女のことは教えなかった。(物語的解釈としてはけっこうありそう。Jen Sapara問題が解決しないけど……)

 ここでHarla Darにこだわるのは、彼女がFirst Broodであるかどうかと、Jaled DarがFirst Broodであるかどうかには、強い関係があると考えるから。
 何しろ、First Broodには最初、同腹の兄弟姉妹しか番う相手がおらず、しかも同色でなければならない。もちろん、他の兄弟が産んだ次以下の世代との通婚も可能だが、体色制限のことも考えると、最初の2、3世代にとって通婚範囲は相当狭かったと考えざるを得ない。
 Dragonに近親婚という概念や、それをタブーとする文化が存在するかを考えないとしても難しい。(実際に初期のDragonはほとんど兄弟婚と思われるため、タブーの範囲として親子婚しか想像できないが……近代のDragonは、また違った意識を持っている可能性はある)
 Harla Darが第一世代であれば、その夫であるJaled Darもまたそうである可能性は高くなる。このように、Jaled Darが第一世代であることと矛盾しない傍証はあるが、反証は発見されていない。
 ちなみに、有力なKerafyrmの支持者であるFour Disciplineは全員First Bloodであると誤解されることがあるが、この内KildrukaunとVyskudraは父娘の関係であるため、少なくとも一体は異なることになる。

 Darの一族については、考えれば考えるほどいろいろ変な(あるいは小説にでもしたくなるような)ことが出てきますが、とりあえず今夜はここまで。