Letter from Whitechapel ルール私家訳

通称「ホワイトチャペル」。

このゲームには、正規の日本語版と日本語訳ルールが存在します。

日本語版ルールは、以前オンラインで閲覧できたようですが、現在はリンク切れです。(参照 2012年5/26現在リンク切れのURL

以下に掲載する和文ルールは、英文ルールしかない環境で日本人が遊ぶために簡易訳したもので、内容は一部省略されています。また、正規の日本語版とは関係がありません。(日本語版版権元によるFAQは、ありがたく参考にさせていただきましたが)使用する術語も一致しません。

意図的に、原作の雰囲気にややそぐわない訳語となっています。

 

原文:英文ルール

参考:HJによる「FAQと正誤表」

 

最初に

1人が犯人<Jack the Ripper>、それ以外が刑事<Police detectives>になる。刑事は協力して、合計5個の警官<Policemen>駒を動かす。


マップに置く駒:犯人<Jack the Ripper>、警官<Policemen>、被害者<The Wretched>。
犯人と被害者はマップ上の丸(数字つき)地点を移動する。警官は、(色に関係なく)交差点<crossings>(黒角地点)を移動する。

犯人は、最初に隠れ家<Hideout>として、赤以外の数字丸地点を選ぶ。犯人は犯行後、この隠れ家に戻らなければいけない。

犯人が持つもの:犯行現場<Crime Scene>トークンx5、手がかり<Clue>トークンx19、女性<Woman>トークンx8、特殊移動<Special Movement>トークンx5(その内、馬車<Coach>x3、裏道<Alley>x2)、犯行時間<Time of the Crime>トークンx1。オプションルール(p.14)を使用する場合は追加で、犯人からの手紙タイルと偽の手がかりトークン。

刑事が持つもの:被害者<Wretched>駒x5、巡回警官<Police Patrol>トークンx7。

 

ゲームの進行
ゲームは4回の(歴史上の犯行に沿った)ラウンド<nights>で構成される。各ラウンドは、犯行<Hell>、追跡<Hunting>の二つのパートに分かれる。
ラウンドごとに、使用するトークンの数は変わる。

犯行パートの進行

  1. 犯人フェイズ
    特殊移動トークンをラウンドの指定数準備。
  2. 犯人フェイズ
    女性トークンを、ラウンドの指定数準備(最初は全部、殺された分ずつ減っていく)。女性トークンにはターゲットマークありとなしがある。マークがあるものだけを、実際の目標として選べる。ないのはフェイク。
    女性トークンは、裏返して(フェイクかどうかわからないように)、赤丸(数字)地点に配置する。第2ラウンド以降は、犯行現場トークンがある地点には置けない。
  3. 刑事フェイズ
    調査本部長<Head of the Investigation>(刑事の中から毎ラウンドランダム決定)が、7個の巡回警官トークンを準備する。トークンには色つき(各警官駒に対応)となしが ある。色なしの2個はフェイク。犯人側と同じく裏返して、黄色で囲まれた交差点に配置する。このとき、他の刑事にも情報を教えてはならない(?)
    第2ラウンド以降、5個のトークンは、前ラウンドの終わりに警官駒があった場所に置かなければいけない。(前ラウンドと同じ色である必要はない。フェイクも可)2個は、それ以外の地点に置く。
  4. 犯人フェイズ
    女性トークンを表返し、フェイクは取り除き、それ以外は被害者駒に置き換える。
    犯行時間トークンをボード上、ローマ数字”I”(1)に置く。
  5. 犯人フェイズ
    今殺すか、待つか選ぶ。犯行時間トークンの位置が”V”(5)の場合は、必ず殺さなければならない。
    殺す場合、被害者駒を1つ選び、犯行現場トークンを置く。(その分の被害者駒と女性トークンはゲームから取り除く)フェイズ8へ進む。
    待つ場合、フェイズ6へ進む。
    (第3ラウンドは、二件の殺人が起こる。後述)
  6. 刑事フェイズ
    犯行時間トークンを、一つ大きいローマ数字に移動する。
    調査本部長は、各被害者駒を移動する。移動はパスできない。他の駒がいる地点、巡回警官トークンに隣接する地点、犯行現場トークンが置かれた地点には移動できない。また、巡回警官トークンの地点を通過する移動もできない。
  7. 犯人フェイズ
    犯人は、巡回警官トークンを1個選んで、表返す。もしそれがフェイクなら、マップから取り除く。
    フェイズ5へ戻って繰り返す。
  8. 犯人フェイズ
    犯行時間トークンがある数字上(何回犯行を待ったかによる)に、犯人駒を置く。この数字の残りプラス15(移動トラックとして表示)が、そのラウンド犯人が行動できる最大回数になる。
  9. 刑事フェイズ
    巡回警官トークンを表返し、フェイクを取り除き、対応する色の警官駒に置き換える。残っている被害者駒とかもマップから取り除く。
    追跡パートに続く。


追跡パートの進行

  1. 犯人フェイズ
    犯人は、マップの点線上、隣接する数字つき丸地点へ移動する。使用回数が残っていれば、特殊移動を行ってもいい。
    移動したら、移動トラックの犯人駒の残り行動回数表示を犯行パートと逆方向(アラビア数字の方へ)動かす。
    警官駒がいる地点を通過する移動はできず、この理由で移動先がなかった場合、犯人は敗北する。行動制限回移動フェイズが経過しても、隠れ家にたどり着けなかった場合も、犯人は敗北する。
    隠れ家にたどり着いたと犯人が宣言したら、そのラウンドは終了する。
    犯人は隠れ家の地点にいる時に「隠れ家にたどり着いた」と宣言しないこともできる。宣言は、隠れ家のある地点にいる時でなければできない。
  2. 刑事フェイズ
    調査本部長から時計回りに、担当する警官駒を動かす。
    警官は、マップの点線上、交差点を2つ分まで(0、1つも可)移動する。(数字つき丸地点は数えない)
    他の警官駒がいる地点を通過してもよいが、同じ地点で移動を終わることはできない。

    犯人は必ず移動しなければならない。警官は移動しなくてもよい。

  3. 刑事フェイズ
    調査本部長から時計回りに、担当する各警官駒がそれぞれ、手がかりを探すか、逮捕を行おうとするか、を決める。1つの駒は1回の行動で、どちらか1つしか行えない。
    行動対象に選べるのは、警官駒が隣接している数字つき丸地点。交差点が間に入る場合は隣接ではない。

    捜査:刑事は隣接する地点1つを選ぶ。犯人が、そのラウンド通過していた場合、犯人はそこに手がかりトークンを置き、その警官の行動は終了 する。もしその地点が空振りだったら、刑事は隣接する別の地点を選ぶ。手がかりを発見するか、未操作の隣接地点がなくなるまで、これを繰り返す。

    逮捕:刑事は隣接する地点1つを選ぶ。それが犯人が現在いる地点なら、犯人は逮捕され、ゲームは終了する。その地点が空振りだったら、そのまま(次の地点は選べずに)その警官の行動は終了する。

犯人が隠れ家に戻るか、犯人が移動できなくなるか、移動回数が尽きた場合(移動トラックの15まで犯人駒が動いて、それ以上動かせなくなる)、ゲームは終わる。

犯人が隠れ家に戻って追跡パートが終わったら、ラウンド終了となり、ボード上の標識を、犯行現場トークンと警官駒だけを残し、他は全て撤去して次のラウンドを開始する。

それ以外の場合、フェイズ1へ戻って追跡パートを繰り返す。

特殊移動(p.12)
通常移動に換えて、犯人は特殊移動(使用回数が残っていれば)が可能。
特殊移動トークンは、使用された時、対応する移動トラックのスペースへ置かれる。そのラウンドは、トークンは再使用できない。特殊移動を使用して、その後通常移動を行うことはできない。

注意:犯人は特殊移動で隠れ家へ移動することはできない。犯人の最後の移動(隠れ家へ入る)は、必ず通常移動でなければならない。

馬車:連続移動。さらに警官駒のある交差点を通過できる。同じ地点を行って戻るのは不可。犯人の行動回数は2回分消費される。第1ラウンドは3回、第2~3ラウンドは2回、第4ラウンドは1回まで。

裏道:マップ上の点線で囲まれた区域をブロックとし、現在の地点に面するブロックを囲む点線上の数字つき丸地点どれでも、好きな場所に移動。第1~2ラウンドは2回。第3~4ラウンドは1回まで。(訳注:原文の画像と解説文では、現在の地点に角だけで接しているブロック移動できないかのようにも読める)

第3ラウンドの処理(p.13)
犯人は、2人の被害者を殺さなければならない。
通常の処理では、フェイズ5で犯人は2つの被害者駒を選び、犯行現場トークンを置く。この時、2件目の犯行にも行動回数を1回消費する。犯人は犯行の順番を決め、2件目の犯行現場地点を現在位置として追跡パートを開始する。
刑事は、2件の犯行現場を知るが、犯行順番は不明なので、追跡パートの開始時にどちらの地点に犯人がいるのかを知ることはできない。

オプションルール(p.14)
犯人からの手紙:第2、3、4ラウンドに、犯人は手紙を使って巡回警官の位置を変えられる。3種類、1ラウンドに1回使用可能。使った手紙は再使用できない。
手紙1~3は犯行パートのフェイズ3に、手紙4は追跡パートのフェイズ1に使用。

  • 手紙1<Dear Boss>:犯人はA/aかC/bにいる巡回警官トークンを1個、色を確認せずに選び、他の場所へ配置する。
  • 手紙2<Saucy Jacky>:犯人はB/aかB/b巡回警官トークンを2個、から選ぶ。調査本部長は、その駒を他の地点へ配置する。
  • 手紙3<From Hell>:犯人はA/bかC/aにいる巡回警官トークンを1個、色を確認せずに選び、他の場所へ配置する。
  • 手紙4<Goulston Street>:追跡パートに行われる落書き。フェイズ1で犯人が移動した後、フェイズ2が開始する前に使用する。犯人は赤、緑、あるいは青の警官駒どれか1個を選ぶ(警視庁所属とする)。調査本部長は、犯人が選んだ駒か茶色の駒(ロンドン市警察所属)どちらか1個を選び、即座にGoulston Street(A5/b8の赤枠で囲まれた地点)へ配置しなければならない。

偽の手がかり:手がかりを5個表示するごとに1個(ラウンド内計算)使える。フェイズ3の最初に、犯人は任意の数字丸地点にこのトークンを置く。このトークンが置かれた地点は、以降そのラウンドの間、手がかりの捜査や逮捕の対象とできない。

広域逮捕:逮捕の対象を、警官駒に隣接する全ての地点にする。その他の処理は変わらない。